「子供のほめ方には、良いほめ方と悪いほめ方がある」というのは、聞いたことがあると思います。
ほめ方一つで、子供に良い影響も、悪い影響も与えてしまうと考えると、できるだけ良いほめ方で、子供を育てたいですよね。
今回は、子供のほめ方についてまとめました。
ダメなほめ方
まず先に、悪いほめ方・ダメなほめ方についてお話します。ダメなほめ方も、”なぜダメなのか”を知ることで、実際の場面での応用が効くはずです。
ダメなほめ方には、いくつかの種類があります。
- 成果だけをほめる
- 比較してほめる
- ステレオタイプなほめ方
- 同じことだけほめる
それぞれについて、解説していきます。
成果だけをほめる
成果だけをほめると、子供に、以下のような影響を与える可能性があります。
- 失敗を恐れるようになる
- 成果に偏った価値観を持つ
子供の成果をほめることは大切です。ですが、成果だけをほめると、子供が成果に偏った価値観を持ってしまう可能性があります。
子供が成果だけにこだわるようになると、失敗を恐れるようになります。失敗を恐れるので、新しい挑戦をしたり、難しい問題や課題に取り組んだりすることができなくなってしまう恐れがあります。
比較してほめる
比較してほめると、子供に、以下のような影響を与える可能性があります。
- 過剰な競争意識を持つようになる
- 他人と比較する習慣を持つようになる
子供を、他の子供と比較してほめると、他者より優れていることが重要だと印象付けてしまうことがあります。
すると、子供は、いつも誰かと比較することで、自分の価値を高めたり維持しようとしたりします。
また、そのことが、過剰な競争意識につながることもあります。
適度に競争することは大切なことですが、過剰な競争意識は、他人を見下すことにつながったり、逆に、自己肯定感を下げてしまうことになったりします。
他者と比較して、自分が優っているときには、自信を得たり、自信を維持することができるかもしれませんが、いつでも、どんなことでも他者より優れている、優れ続けていることは、簡単なことではありません。
他者より優れていることに価値を感じていると、自分が負けてしまったり、良い成績を収められなかったときに、自信をなくし、立ち直ることが難しくなる可能性があります。
ステレオタイプなほめ方
ステレオタイプのほめ方とは、性別や人種、外見などの表面的な特徴をもとにほめることです。
ステレオタイプのほめ方をすると、子供に、以下のような影響を与える可能性があります。
- 固定的な価値を植え付けてしまう
- 多様性を受け入れられない
- 個性の否定
例えば、「あなたはは男の子らしいね」「女の子らしいから素敵だね」など、性別の固定概念に基づいてほめることが想像しやすいかもしれません。
大人でも、「あなたは日本人だから、計算が得意なんですね」と言われると、違和感を感じると思います。
「いや。日本人とか関係ないやろ」と思えれば良いですが、「日本人だから、計算が得意じゃなきゃいけないんだ…」と思ってしまうと、固定的なイメージに縛られてしまいます。
子供でも同じように、固定的なイメージに縛られて、「男の子だから強くなくちゃいけないんだ」とか「女の子だから、優しくなきゃいけないんだ」など、自分の個性を抑え込んでしまう可能性のあるほめ方は、避けることが望ましいです。
同じことだけほめる
同じことをほめること自体は問題ありません。
しかし、同じことだけをほめるのは、以下のような影響が考えられ、注意が必要です。
- 子供の価値を固定化してしまう
- 可能性を制限してしまう
例えば、「いつもピアノをがんばっていてえらいね」と、ほめること自体は問題ありません。
しかし、それ以外にもがんばっていることがあるのに、ピアノをがんばっていることだけをほめていると、どうでしょう?
子供は、自分の価値は、「ピアノをがんばっていることだけなんだ」と感じ、ピアノ以外をがんばることに、価値を見出せなくなる可能性があります。
これは、子供の持つ可能性を制限することにつながってしまいます。
良いほめ方
上記のようなダメなほめ方を踏まえた上で、今度は、適切な褒め方について見ていきましょう。
- 努力をほめる
- 行動をほめる
- 成長や変化をほめる
- いろいろなことをほめる
努力をほめる
努力したことに焦点をあてて、ほめるようにしましょう。
ダメなほめ方の一つに、成果だけをほめることを挙げましたが、成果をほめることが悪いわけではありません。
子供ががんばって出した成果も、ぜひほめてあげてください。
でも、そのときに、その成果に辿り着くまでの努力も一緒にほめてあげてください。
- 「すごいね。たくさんがんばったから、できたんだね」
- 「よくやったね。たくさん練習した甲斐があったね」
などの言葉をかけることで、子供は、努力することにポジティブなイメージを持ち、新しいこと、難しいことにも挑戦できるようになります。
行動をほめる
行動をほめることも重要です。
例えば、子供が自分で考えて工夫したことや、誰かのためにしたことなどについて、
- 「前もって準備をしていて、えらかったね」
- 「あなたがしたことで、喜んだ人がいると思うよ。いいことをしたね」
など、その行動をほめてあげましょう。
子供の行動をほめることで、子供は自分で考えて行動したり、工夫したりすることの楽しさを覚えます。
成長や変化をほめる
他人と比較するのではなく、その子供の、以前の姿と比べて、成長した部分、変化した部分をほめることが大切です。
例えば、
- 「これ、できなかったのに、できるようになったね! がんばったんだね!」
- 「前は〇〇だったけど、今回は□□にしたんだね。これもいいね」
などと伝えることで、成長したこと、変化したことにポジティブなフィードバックを与えるとともに、子供に対して
- 「ちゃんと見ているよ」
- 「ちゃんと気付いているよ」
という、”親が子供に関心をもっている”というメッセージを送ることもできます。
いろいろなことをほめる
一つのことだけをほめるのではなく、子供のさまざまな面をほめるようにしましょう。
生活面、勉強面、精神面などにおいて、努力していること、工夫していること、成長したこと、変化したこと、興味を持っていることなどに気付き、ポジティブな言葉をかけることで、子供の持つ可能性を広げることができます。

さいごに
子育てや教育において、ほめることは、とても重要な役割を持っています。
子供の時期に、大人が子供にかける言葉は、子供にさまざまな影響を与え、それが大人になっても潜在意識に残っていて、子供の可能性を広げたり、逆に狭めたりすることがあります。
大人は、子供にかける言葉に、極端に神経質になる必要はありません。ですが、子供を傷つける言葉や、個性を制限する言葉などにどんなものがあるのかを知っておくことで、よりよい子育てをすることができます。
普段、自分が子供に対してどんなほめ方をしているのか、今一度振り返ってみましょう。この、親が自分を振り返る作業こそが、子供のために、よりよい子育てのために、最も大切なことだと、私は思っています。
ぜひ、自分を顧みて、子供との関係をより良いものにし、楽しい家庭を作っていただきたいと思います。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました!

