「ちゃんと」って、曖昧
「ちゃんと」って言葉。よく使っちゃいます。

ちゃんと片付けて!
ちゃんと準備して!
ちゃんと洗って!
ちゃんと入れて!
私も、しょっちゅう使います。
でもこの「ちゃんと」。すごく曖昧な言葉だなーと思います。
何が曖昧って、「ちゃんと」の定義は、人によって違ってしまうところがです。
例えば、子どもに、おもちゃを箱に片付けるための指示として、「ちゃんと仕舞って」と言ったとします。
でも、この「ちゃんと」の意味は、いろんなものが想定できてしまうと思うのです。
ある人の”ちゃんと”は、箱の中に整然と、並べるようにして片付けることなのかもしれません。
別のある人のちゃんとは、箱に入ってさえいればいいのかもしれません。
また別のある人のちゃんとは、時と場合によるのかもしれません。
大人の意図を、状況を見ながら判断する、というのは、子どもには難しいです。できちゃう子もいるかもしれませんが、稀でしょうね。
大人でも難しいことがあると思います。
職場などで「ちゃんと」という指示で、自分なりに”ちゃんと”したとしても、
「ちゃんとしてって言ったのに!」
と言われてしまうことがあったりします。
でも、そう言われたら、
「だったら、具体的に指示してよ!」
って思っちゃいます。
子どもにとっても、「ちゃんと」は、そういう言葉になり得るってことです。
子どもは素直なので、「ちゃんと!」と言われれば、「ちゃんとしよう」と思うことが多いです。その子なりに、「ちゃんと」します。
それでも、お母さんが思っている「ちゃんと」と、子どもの思っている「ちゃんと」が食い違っていると、お母さんは
「ちゃんとって言ったでしょ!」
となってしまうかもしれないですよね。
そしたら、子どもは悲しい気持ちになってしまうことでしょう。
あるいは。むしろ、「ちゃんと」することに気を取られて、時間がかかりすぎると、
「いつまでやってるの!」
ってことになるかもしれません。
いずれにせよ、子どもは混乱します。矛盾に満ちた大人の言葉は、理不尽でさえあるかも。
「”ちゃんと”したのに、お母さん怒っちゃった」
悲しくなるかもしれないし、不機嫌になるかもしれません。
どちらにしても、ポジティブな気持ちにはなれません。
子どもは、大人の矛盾や理不尽さを感じても、それをうまく言葉にできないことが多いです。
ある程度大きくなって、言葉をしっかり使いこなせる子であれば、あるいは、小さくても言葉の発達が早い子なら、
「ぼくなりに『ちゃんと』やったもん!」
「『ちゃんと」じゃわかんないよ!」
とかって、反論したりできるかもしれません。
(まあ、それはそれで、「口答えするんじゃありません!」みたいなことが起きうるわけですが、それはまた別の話)
「ちゃんとしたのに怒られた」
これは、よくあることです。大人にとっては些細なことかも。
今も、日本のたくさんのご家庭で、大人の矛盾と理不尽さに、半ベソかいている子がいるかもしれません。
でも、この文章を読んだ方なら、気付いてくれるはず。
子どもは「ちゃんと」じゃ分からないんです。
お母さんがどうしてほしいのか、「ちゃんと」説明してくれないと、わからないんです。(ね? わかんないでしょ?)
”ちゃんと”を”ちゃんと”教えるのは難しい
じゃあどうすればいいか?って言ったら、
「ちゃんと」の具体的な内容を伝えてあげよう
ってことになります。
でも、それが案外むずかしいから、困るんです。
「ちゃんと」の内容を、大人自身がちゃんと分かっているとは限らないからです。
「わかっている」というのは、「具体的な内容を把握している」ということです。
「ちゃんと仕舞って!」と言った場合に例えるなら、「どうすればちゃんと仕舞ったことになるのか?」を、明確にイメージできていて、それを言葉にできるか?ってことです。
これをいうと、案外、答えられなかったりするんです。
「『ちゃんと』って言ったら、『ちゃんと』よ…」
と、返答が尻すぼみになっちゃったり。
でも、その曖昧な「ちゃんと」に振り回されるのは子どもなので、人生の先輩として、大人の方には、きちんと説明責任を果たしていただきたい。笑
あなたは、その「ちゃんと」、ちゃんと説明できますか?
”ちゃんと”対策
「ちゃんと」を、具体的に説明できない場合は、子どもが混乱するのを避ける目的で、「ちゃんと」と言わない方がいいのかもしれません。
でも、「ちゃんと」って、使っちゃうんですよね! ついつい口から出ちゃいます!
だから、対策しておきましょう。っていうのがここからのお話です。
親にできることにはいくつかあります。
- 1つ目。「ちゃんと」って言っちゃったら、すぐに補足説明をしてあげること。
- 2つ目。いつも、常に、「ちゃんとはできないかもしれない」と覚悟しておくこと。
- 3つ目。子どもが困っていないか、様子を気にしておくこと。
- 4つ目。ちゃんとできていなくても、とりあえず「ありがとう」ということ。
この4つ。
”ちゃんと”対策1:すぐ補足説明
1つ目の補足説明は、「ちゃんと」って、つい言っちゃっても、すぐ補足説明するという対策です。
ちゃんとって言っちゃいます。気をつけてても言っちゃうと思います。
普段から使っている言葉は、口から出やすいです。
そういうもんです。
だけど、子どもは、大人のついうっかりを理解できたりも、ちゃんとの意味を空気で読んだりはできません。
だから、補足説明でフォローしましょう。
「ちゃんと仕舞って! あ、ちゃんと仕舞うっていうのは、箱の中に入っていればいいってことね!」
「ちゃんと仕舞って! あ、ちゃんとっていうのは、きれいに順番に並べてってことね!」
というふうに。
フォローするときの注意点としては、チョイスする言葉を、子どもがイメージしやすく分かりやすい言葉にするってこと。できるだけ具体的な方が望ましいですね。
- はみ出ないようにね。
- パチって音がするまで閉めてね。
- かどをそろえてね。
- 折り紙でするみたいに、キレイにたたんでね。
上記はあくまで例です。
あなたのお子さんにとって分かりやすい言葉をチョイスするってことを大切にしてください。
分かりやすい言葉、イメージしやすい言葉は、その子によっても、ご家庭によっても違うからです。
ついつい丁寧になりすぎちゃうタイプ、時間がかかりがちな子の場合は
カゴに入っていればいいよ。はみ出ていてもいいから、ぽいってしたら戻ってきて。
のような、説明でもいいのかもしれません。
そのときに優先してほしいことに意識が向けられるような声かけがいいと思います。
”ちゃんと”対策2:できないことを、いつも覚悟しておく
2つ目。「ちゃんとはできないかもしれない」と、常に、いつも覚悟しておくこと。
心積もりをしておくってことです。
あらゆる可能性を想定しておくというか。
「何があっても驚くまい」と決めておくというか。
まあ、そういうことです。
これは、悪い言い方をすれば、あきらめておく、期待しない、ということになってしまうかもしれません。
でも、怒っちゃうよりマシだと思うのです。
もちろん、「あんたのことはあきらめてる」とか「あんたには期待しない」とか言っちゃダメですけどね! 当たり前だけど!
覚悟。これだけのことなんですけどね。これだけのことが、すごく大事です。
「私の期待通りにはいかないかもしれない」と、常に覚悟しておく、心積もりしておくと、怒る回数は激減します。マジで。
とはいえ。
期待通りにはいかないかもしれないと思いつつも、どこか期待しちゃうという側面もあるんですよ。
それはそれで仕方ないです。
それでも、心積もりをしておくと、期待通りにいかなかったとしても、
「ま、しょーがない」
と思えるし。(「しょーがない」って言っちゃダメだけど)
期待通りにいったときには、
「マジか! すごいじゃん!」
と思えるし、そう言えます。
どっちにしても、子どもにネガティブな伝わり方はしにくいです。
マジでおすすめ。
”ちゃんと”対策3:子どもの様子を気にしておく
3つ目。子どもが困っていないか、様子を気にしておく。
「ちゃんと」って言わないようにしてたのに、「ちゃんと」って言っちゃった!
と、後から気がついたときのアフターフォローです。
「気にしておく」っていうのは、別のことをしながらでも、気にかけておくというか。
ちょいちょい見ておくというか。
そんな感じのこと。
「困っていないか?」とか「意味が伝わっているか?」などを見るということです。
困っていたり、伝わっていなそうだったりしたら、助け舟を出動します。
子どもの様子から、頼んだことが無理目なことだと気がついたら、
「それでいいよ! あとはお母さんがやるね! ありがとう!」
と、切り上げてしまってもいいかもしれないです。とっても余裕があるなら、失敗させてあげるのもありですが。
困っていそうだったら、対策1のような補足説明を、そのときにしてもいいと思います。
ポイントは、どんな状況でも、ポジティブ系の言葉で声かけするってことです。
”ちゃんと”対策4:とりあえず「ありがとう!」という
4つ目。「ちゃんと」できていなくても、とりあえず「ありがとう」という。
これ、めっちゃ大事。
できれば、心からの感じで「ありがとー!」っていうのがベストではあります。
でも、とにかく「ありがとう」とだけは言っておこう!みたいなところはあるかも。ちょっと乱暴な言い方だけど。
「ちゃんとって言ったのに、もう!」って思ってても!
とりあえず、
「ありがとう」
っていう!
ありがとうの言い方によっては、敏感な子だと、「ダメだったかも」って思うかもしれません。
それでも「ありがとう」って言わないよりは全然いいです。できれば優しい言い方にしてあげてほしいけど…。
とりあえず、とにかくまずは子供を傷つけず、受け入れる”という態度でいることができます。
それに、これにはもう1つメリットがあってですね。それは、
なにかしてもらった時には「ありがとう」という社会性を、親の姿を通して教えることができるってところです。
よく言われることではありますが、子どもは親の姿をよく見ています。
「なにやってんの!」ってよくいう親の子どもは、お友達にも「なにやってんの!」って言ってしまいガチ。
これはね、日常的に繰り返し聞いている言葉が、強く印象付けられてしまっているからなんです。
だから、お友だちに使ってほしくない言葉は、親も使わないことが大切です。
そして同時に、お友だちに使ってほしい言葉を、大人が積極的に使うことも大切です。
もう1つの対策:親としての自分に余裕をつくる
先ほどご紹介したのが、「ちゃんと」を言ってしまうことへの対策です。
が。
実はもう一つ、大切な対策があります。
それが、親としての自分に余裕をつくること です。
4つの対策を見てもらって、気がついた方もいらっしゃるかもしれませんが。
これらは、全部、「親に余裕があるからできること」なんです。
言い換えると、親自身に余裕がなかったら、実行不能ってことです。
「じゃあ無理じゃん」て、思うかもしれません。
でもね。できると思います。
なぜなら、あなたは、この記事を、ここまで読んだ人だから。
わたしは、あなたが、親としての自分を変えようとしている人に思えます。
だから、あなたは親としての自分に余裕を作ることができる人だと思うのです。
余裕は、どうやって作り出すのかというと、視点をひとつ高くするんです。
鳥の目・鷹の目って聞いたことないですかね?
自分の中を、鳥の目・鷹の目で、俯瞰するように見ることで、余裕は生み出せます。
そして、鳥の目・鷹の目は、自分と向き合うことでできるようになります。
もしかしたら、自分と向き合うことと鳥の目・鷹の目は、関係なさそうに見えるかもしれないですね。
「自分って、ここにあるものなのに、それと向き合っても、視点は高くならないのでは?」
って思うかも。
確かに私も、自分と向き合うってことに取り組む前は、それが俯瞰につながるとは思ってなかったです。
でも実際やってみて、自分と向き合ったことで、自分を俯瞰して見られるようになりました。
「客観的」とも言えるかな。
俯瞰的に、客観的に自分を見られるようになると、余裕が生まれるので、子どもにも優しくなれるのです。
「いいお母さんになりたい」
「優しいお母さんになりたい」
と思っている人は、ぜひ試していただきたい!
「自分に向き合う」すごくオススメです。
子どもへのイライラ対策について、こんな記事も書いてます。↓


さいごに
ここまで読んでいただきありがとうございます。
子育てには休みがないので、日々の子どもへの声かけの仕方に注意を払う、というのは、なかなか難しいことだと思います。
それでも、この記事をご覧になったあなたなら、それができると思うし、きっといいお母さん、いいお父さんなのだろうと思います。
それでも、きっと、日々の子育てに悩みはあると思います。
このブログでは、そんな悩みを、少しでも軽くできるような内容をアップしてきますので、楽しみにしていただけたら嬉しいです。









